FMアンテナスタイルブック
A)単線アンテナ
ラジオに付属の引き伸ばして使うロッドアンテナを含めてここでは単線アンテナとよびます。長さが1/4波長(1波長=300/周波数(MHz)とその整数倍が使われますが、短波帯の周波数では任意の長さの単線をロングワイヤーアンテナ(そのまんま)とよんだりします。
FM放送受信の場合は1波長は受信周波数の中心が80MHzだとすると3.75mとなります。したがって1/4波長は93.75cmとなります。実際の長さは短縮率や周囲との影響を考えてその95%を1/4波長とします(89cm)。
(ロッドアンテナ)
簡単にするために1mの単線(外皮のビニール被覆でなく芯線の銅線)をラジオのアンテナ端子につけるなどしてfm受信アンテナとして使います。ラジオにアンテナ端子が無い場合は1m+アルファの単線を用意してアルファ部分をラジオにグルグル巻きつけます。
(図ぐるぐる巻き)
実験ではC)のループアンテナが受信成績がよかったですが、放送に近くて窓の近くではよく受信できる場合は下図のような1/4波長アンテナを室外にたらすとよいでしょう。
(図1/4アンテナ)
B)ダイポールアンテナ
よく使われるのが1/2波長(全体で1.875mx95%=178cm)のアンテナで真ん中にフィーダー線(供給線、伝送線)をつなげて片方をラジオにつなげます。
放送に近くて少し感度が足りない場合などフィーダー線を使わずに直接1/4波長(1m)の電線をラジオのアンテナ端子2個にそれぞれつけるだけでよい場合があります。これもラジオに端子が無い場合は真ん中にアルファ部分をラジオにぐるぐる巻き(きれいに重ねて巻いてよい)にします。
C)ループアンテナ
1波長のループアンテナは、実験したうちで一番成績がよかったです。多少他のアンテナよりゲインがあり指向性があります(円(四角)のループに対して垂直方向に対して感度が高い、円(四角)を地面と平行にすると無指向性になる)。
またA)のアンテナより周辺ノイズを拾いにくいです。
ノイズの点からはアンテナが狭い範囲で同調するような1波長より小さいループアンテナが有利ですがチャンネルを変えるたびに一々同調(調整)を取り直すなどお手軽さにかけるので今回は実験をしていません。
D)市販アンテナ
一般市販アンテナには室内専用アンテナ(たいていはブースターアンプ付き)と屋外設置タイプのアンテナがあります。いくつかためしましたが、それぞれメリットとデメリットがあります。
室内専用アンテナ(ブースターアンプ付き)の場合、アンテナの指向性があり放送局の方向に向けないと感度があがらないのですが、複数の放送局の位置が違う場合、いちいち方向を変える必要があります。
またブースターアンプのゲイン(増幅度)は一般にそれほど高くなく無いよりはあったほうがいいという程度のものが多く、逆に高いゲインのものは室内のノイズをひらってしまって肝心の放送局が妨害で受信できないのがあります(増幅の周波数範囲が広すぎてノイズまで増幅してラジオ内部の回路を飽和させてしまうため)。
屋外設置タイプのアンテナは、八木アンテナタイプで2エレ(トンボの羽のように)以上のものが多く、そのばあいアンテナの指向性が強く出ますので複数のFM放送局の方向が1方向ならいいですがそうでない場合、アンテナを回転するなどが必要になります。素子1本の長さは基本的に1/2波長約1.5mですので設置場所についても注意が必要です。
また屋外設置になりますのでマンションなどでは取り付けが難しい(管理規定で禁止しているマンションもあります)場合があります。こうした問題がなければアンテナとしては理想的なものです。